最近やっと鬱鬱とした期間を抜け出すことが出来たので、本棚に大量にある読みかけの本たちを少しずつ消化することにしました。とりあえず3冊読んだので、備忘録的な。
完全に主観ですが、感想など。
・世界の果て/中村文則
表紙の絵がかっこよくて買ってしまった本。短編集です。
お話は全体的に暗いです。濃霧の中自分の影を見つめている感じ。しかも輪郭をなぞるのではなく、その色を見つめているような。
出てくる要素が割と決まっていて、近親相姦や喉の渇き、視界はぼんやりしていることが多い。私が今まで触れてきたことのないような話が多かったので、共感ができるかと言えば全くできない。みんなどこかおかしくて、歪んでいます。
そのせいもあってかどうしても読みづらいと感じてしまい、ずっと開いていませんでした。
あとがきにも書いてありますが、作者も相当な根暗さんのようで、その暗い部分をそのまま言葉として出力したような文章。それが洗練されているかと言えば、そうでもないなと感じます。カンバスに墨を塗りつけたような。
でもいつか、何かの拍子にこの本の登場人物のことを思い出して、もう一度開いてみようという気になったりするのでしょうか。
最後に収録されている少し長めの短編「世界の果て」。
とある3人の男にとっての世界の果て。もちろん世界とは地球のことではないです。地球はまあるいですもんね。読み終わったあともう一度タイトルを見ると、すっと納得できるお話。一番印象に残りました。
・一冊でまるごとわかる北欧神話
このシリーズのギリシャ神話の方は既に読了しています。こちらは挿絵が天野喜孝で、最高。買ったきっかけはfgoかな?もともと読んでみたかったというのはあります。
世界の創造からラグナロクまで、あとはヴェルスンガ・サガ(英雄はシグルズ)とニーベルンゲンの歌(英雄はジークフリート)について書かれています。
文章はとても読みやすいです。ただ、ギリシャ神話の方を読んだ時も感じましたが、神話って物語としての質ははめちゃくちゃ悪いですね。ゼウスは可愛い女の子見たらとりあえず欲情しまくりだし、オーディンは優秀な人材を殺していく老害…。神サマたちの動機が異常に人間臭かったり、まったく理解できなかったりして難しい。まあ神サマだしね。
でも、なんというか、間接的に北欧の文化を感じることが出来ますね。世界には終末があって、その時地中に眠っている数々の悪いものが現れて戦争になる…とか、なんとなくそういう思想が北欧の人々には根付いているのかなあと考えてみたり。
その土地でずっとならわしのように染みついている思想に触れられるようで面白いです。
・アンデルセン童話集(上)
ずっと読みたかったアンデルセン童話!私が大好きな字書きさん(絵も素晴らしいお方です)が好きな童話ということで是非読みたかった。こういうのあるよね、そのせいで憧れの絵描きさんと同じ画材を買いあさったりしてしまうのですが…。
いざアマゾンで調べると色んな出版社が出していて迷ってしまっていたのですが、池袋の梟書茶房さんで誕生日プレゼントとして買ってもらったのです。(梟書茶房さん特有のあの紹介分から推測できたので…) 個人的には、たくさんある童話集の中でいちばんいいものを手に入れられたのではないかと…思っています……!
まず挿絵が独特の世界観で童話にぴったり。ちょっと不気味で、とても綺麗。白黒のペン画の雰囲気がお話の内容とよく合いますね。それと、文庫本サイズで持ちやすいし、上下巻あるのでボリュームも満足です。迷ったらこれをおすすめしたい。他のは実際に見たことないけど()。
話は、登場人物は死ぬし殺されるしで暴力的な描写もあります。でも悪いことをしたやつがちゃんと裁かれてる、それも割と血みどろだったりするんですけどね。アンデルセンが話を通して言いたいこと、教訓のようなものがちゃんと伝わってきます。同時に、こういうことを彼も経験したのだろうかとも想像してしまうのですけども。
最後に収録されているのは雪の女王。初めて読んだのですが、個人的に好きですね。大人になってから読むからいいのかな?なんとなく、カイは頭が良かったから田舎を出て都会に住み、アイデンティティを失った社畜の隠喩とかなのかなって思います。(極端だけど)
色々な風にお話を読めるのがいいですね。読むたびに印象が変わるんだろうな。
以上!
次読みたいのは『生物と無生物のあいだ』『異邦人』とかかな?これも読みかけて止まっている本です。
それでは。
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